34 危機(リスク)への対応 5

危機(リスク)リスト

イグレン 加藤 文男

 現在想定できる危機(リスク)項目を挙げておく。企業規模により、危機(リスク)ではなく経営そのものの課題と考えることもできる。この他にも企業の規模、取引範囲などによりさらに多くの危機を想定しなければならない。
 
海外調達・海外生産担当者は、赴任地、出張先などそれぞれの立場で遭遇する危機について適宜項目を追加削除し、自社に適した危機(リスク)リストを考えていただきたい。
(1)自然災害による危機
地震、津波、台風、落雷
火山噴火
(2)突発的事故
航空機、鉄道、自動車事故
爆弾テロ、ハイジャック、誘拐事件
火災、爆発
通信途絶、ネットワーク断絶
(3)政治・経済・社会的危機
① 政治的危機
戦争・革命・政変・クーデター・内乱
軍事テロ
制度改革(法律・貿易管理)
港湾、空港閉鎖(ストライキなど)
② 経済的危機
経済変動と制度改革(税制)
為替変動
金利変動
市場ニーズ変動
③ 社会的危機
企業脅迫、社員・家族の誘拐・殺害
民族・宗教問題
民事介入暴力(暴力団・右翼など)
病原菌・細菌による感染症
④ 環境リスク
地下水、大気、土壌などの環境汚染
廃棄物処理
少エネ・少資源・リサイクル問題
(4)事業経営上予測すべき危機
① 技術・製品の危機
製品回収(リコール)
製造物責任(PL
知的財産権・著作権侵害
② 営業的危機
売上高減少
債務不履行・不良債権・取引先倒産
独占禁止法違反、輸出貿易管理
価格破壊
流通経路のトラブル
市場ニーズ変動
ダンピングその他の通商問題
通貨危機
③ 組織運営危機
株主代表訴訟
人材流出
リストラ
④ 情報危機
機密情報の漏洩
情報システムリスク、コンピュータネットワークのダウン
不正アクセス・ウイルス進入・データ遺失・改ざん
⑤ 財務的危機
利益の減少
債務不履行・不良債権・取引先倒産
投資回収問題
企業買収・提携
株価変動・為替変動
⑥ 労務的危機
ストライキなど労働争議
従業員・役員の不祥事(インサイダー取引、贈収賄)
雇用問題・退職問題、集団・引き抜き
セクハラ・パワハラ、プライバシーの侵害などの人権問題

掲載日:2017/05/04

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