イグレン 加藤 文男
ここであなたの会社で製造する製品がどのような部品で作られているか検討しておきましょう。新入社員に対して多分このような初歩的なことは上司も先輩も誰も説明してくれません。第一に忙しくてそのような時間がありません。第二に資材購買の人たちにとってごく当たり前のことだからです。そして、「そのようなものは自分で勉強しろ」と思っているからです。その上、このように整理された資料もないかもしれません。
電気機械機器には、多くの種類がありますがここでは誰でも知っているテレビやラジオを製品として取り上げます。このリストにも漏れがあるかもしれません。皆さんの会社で製造している製品について、このリストをもとに追加、補充して製品を構成する原材料や部品のリストを完成してみてください。
機器を構成する部品や原材料
1機構部品
ケースやシャーシなどの板金や木製部品
ヒートシンク
樹脂製のパネルや飾り部品
いろいろな部品を取り付けるパネルやアングル、仕切り板
取り付けるためのネジやボルト、ナットやワッシャー
2電気部品
各種トランス
モーター
コイル
コンデンサー
抵抗器
表示ランプ
LED
スイッチ
リレー
コネクター
ソケット
プラグ
フィルター
ヒューズ
プリント基板
液晶パネル
スピーカ・イヤホーン
メータ
アンテナ
3電子部品
トランジスタ
半導体・ダイオード
振動子
ICやLSI
4電線材料
電源用コード
内部配線用電線線材
接続用端子盤
5間接材料
絶縁用テープ
スペーサー
半田
保持用ブッシュ
接着剤
6梱包材料
外装用段ボール
緩衝用段ボールや発泡スチロール
製品を包むビニール製袋、又は、ポリエチレン製袋
包装用テープ
紐類
7印刷物
取扱説明書
注意書き
8付属品
各種コントローラー(リモコン用)
電源アダプター
乾電池
機器間の接続ケーブル
使用する原材料、部品の分類方法は、会社の歴史や慣習で異なります。それぞれの事情により都合よく考えられています。例えば、電気部品と電子部品を同じ分類にするかもしれません。プリント基板を機構部品にすることもあります。この種の原材料や部品の名称も、会社により異なる場合もあります。製造業種により電子部品や電気部品を使用しない会社もあるでしょう。また、このような完成品ではなく、ユニットやモジュールを組み立て製造する会社かもしれません。その場合、使用する部品の種類も多くはないでしょう。ユニットやモジュールは、完成した状態で調達する会社もあります。その場合、調達原材料、部品は更に少なくなります。
このように一つに電気製品だけでたくさんの原材料、部品が使用されていることがわかります。これらをすべて間違いなく、日程どおりに調達するのが資材購買の役割です。これらの原材料、部品の種類を見ただけでたいへん多くの会社から調達しなければならないことがわかります。